1級造園施工管理技術検定の受験資格が改正!変更点を徹底解説

1級造園施工管理技士とは?

1級造園施工管理技士とは、建設業法に基づき国土交通大臣指定機関が実施する「造園施工管理技術検定」によって認定される、国家資格の1つです。

造園工事を含めた建設工事の「完成を請け負う営業」をするには、その工事が公共工事であるか民間工事であるかに関わらず、基本的には一般もしくは特定建設業許可を受ける必要があります。

その条件の1つとして、営業所ごとに専任の技術者、建設工事の現場には主任技術者及び監理技術者を置くことが義務づけられていますが、1級造園施工管理技士はこの有資格者として認められています。

特に指定工事業である造園工事業で特定建設業許可を受ける場合、専任の技術者と監理技術者は、2級ではなく、1級造園施工管理技士などの国家資格者でなければなりません。

1級造園施工管理技士は、造園施工管理に関するプロフェッショナルであり、大規模な造園工事を請け負う際には必須の資格と言えるでしょう。

令和5年度・1級造園施工管理技術検定の受検資格

1級造園施工管理技術検定を受検するときは、最終学歴や資格の有無により、実務経験年数(指導監督的実務経験1年を含む)を問われます。

最終学歴別の受検資格は下記のとおりです。

|学歴|第1次検定|第2次検定|h
|大学(指定学科)|卒業後の実務経験 3年|卒業後の実務経験 3年|
|大学(指定学科以外)|卒業後の実務経験 4.5年|卒業後の実務経験 4.5年|
|短大・高等専門学校n(指定学科)|卒業後の実務経験 5年|卒業後の実務経験 5年|
|短大・高等専門学校n(指定学科以外)|卒業後の実務経験 7.5年|卒業後の実務経験 7.5年|
|高等学校(指定学科)|卒業後の実務経験 10年|卒業後の実務経験 10年|
|高等学校(指定学科以外)|卒業後の実務経験 11.5年|卒業後の実務経験 11.5年|
|2級合格者|条件なし|2級合格後5年の実務経験|
|上記以外|15年の実務経験|15年の実務経験|

このほかにも、技能検定合格者や専任の主任技術者の実務経験が1年以上ある人なども、最終学歴に応じた実務経験を得ていれば受験可能です。

1級造園施工管理技術検定の受検資格が改正

建築業法などの改正に伴い、1級造園施工管理技術検定の受検資格も段階的に改正されています。

令和3年度の改正
建設業法等の一部改正に伴い、1級造園施工管理技術検定の受検資格も改正されました。

2級造園施工管理技術検定の第2次検定に合格した者(2級造園施工管理技士)は、1級造園施工管理技術検定に必要な実務経験年数に満たさなくても、1級の第1次検定を受検することが可能に。

ただしこの場合、1級の第2次検定は、1級の受検に必要な実務経験を得てから受検可能なため、2級合格後5年の実務経験が必要です。

またこの改正では試験区分も再編されました。

従来は学科試験と実地試験に合格すると「1級造園施工管理技士」の称号を得られていたいましたが、令和3年度からは第1次検定合格で「1級造園施工管理技士補」、第2次検定合格で「1級造園施工管理技士」の称号が得られます。

令和4年度の改正
令和4年3月11日に交付された「技術検定に係る国土交通大臣告示の一部改正」に伴い、1級造園施工管理技術検定の受検資格が改正されました。

この改正は令和4年4月1日以降の受検申請から適用されています。

飛び入学による大学院進学や大学改革支援・学位授与機構による学位の取得、国外の大学・高等学校を卒業した場合の、学歴認定申請の部分が主な改正内容です。

飛び入学により大学院に進学した者
| |~令和3年度|令和4年度~|h
|個々の国土交通大臣認定申請|  要|  不要|

大学改革支援・学位授与機構による「学士」の学位を取得した者
| |~令和3年度|令和4年度~|h
|個々の国土交通大臣認定申請|  要|  不要|

国外における「学士」の学位に相当する学歴を有する者(大卒相当)
| |~令和3年度|令和4年度~|h
|指定学科以外の卒業者|個々の国土交通大臣認定申請n     要|個々の国土交通大臣認定申請n     不要|
|指定学科の卒業者|個々の国土交通大臣認定申請n     要|個々の国土交通大臣認定申請n     要|

国外の学校教育において12年目の課程を修了した者(高卒相当)
| |~令和3年度|令和4年度~|h
|指定学科以外の卒業者|個々の国土交通大臣認定申請n     要|個々の国土交通大臣認定申請n     不要|
|指定学科の卒業者|個々の国土交通大臣認定申請n     要|個々の国土交通大臣認定申請n     要|

令和6年度以降の受検資格
令和5年5月12日に「施工技術検定規則及び建設業法施行規則の一部を改正する省令」等が公布され、令和6年度の技術検定から受検資格が改正されます。

令和6年度・1級造園施工管理技術検定の受検資格
|第1次検定|第2次検定|h
|19歳以上n(当該年度末時点)|1級1次検定合格後n・実務経験5年以上n・特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上n・監理技術者補佐としての実務経験1年以上n2級2次検定合格後n・実務経験5年以上(1級1次検定合格者限定)n・特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上n(1級1次検定合格者限定)|

「特定実務経験」とは、請け負い金額4,500万円以上の建設工事などで、監理技術者や主任技術者の指導下、もしくは自ら監理技術者・主任技術者として行った実務経験を指します。

学歴による受検資格の差を見直し、実務経験内容を重視することで、必要年数の短縮が図れ、担い手不足解消につながると考えられています。

まとめ

技術検定制度は、適正な施工や高い能力を持つ技術者を育成するために設けられていますが、人手不足や生産性の向上、IT・通信環境の進展などに伴い、現況に即した制度にするために日々検討が重ねられ、改正されています。

受検の際には最新版の「受検の手引き」を参考にし、受検資格や申し込み方法、試験内容などを確認しておきましょう。