玉掛け
玉掛けとは、玉掛け用ワイヤーロープを使ってクレーンのフックに運搬する荷物を掛けて移動したり、運搬した荷物をフックから外したりする作業を指します。
玉掛け免許は建設や造園、土木など幅広い業種で仕事をする上では必須と言える免許です。造園業の場合、樹木や庭石など人力での運搬が難しいものをクレーン車で運ぶ際などに玉掛けの技術が必要とされます。
玉掛け免許の重要性
玉掛けには免許が必要で、玉掛け免許は国家資格です。玉掛けの作業は素人から見ると一見簡単そうに見えるかもしれません。しかし、玉掛け作業を誤ると吊り荷の落下事故などによって現場作業員が大きな怪我をしたり、最悪の場合は死亡事故につながったりする危険性もあります。
安全に玉掛け作業を行うためには玉掛け道具の選定や吊り方などについてしっかりとした知識や技術が必要なため、免許の重要性は高いです。
玉掛け免許を取得するためには?
玉掛け免許は各地のキャタピラー教習所などで取得できます。保有資格や玉掛け補助作業の経験によって教習所で受講すべきコースが異なるので、事前に教習所に確認しましょう。
玉掛け免許はクレーンの吊り上げ荷重によって種類が分かれ、吊り上げ荷重が1トン未満なら玉掛け特別教育修了証、1トン以上なら玉掛け技能講習修了証を取得しなければなりません。デリックや移動式クレーンの玉掛けも玉掛け技能講習の修了が必要です。
玉掛け免許は重要度が高いですが、合格率は約90%と難易度は高くなく、数日で取得できるので挑戦しやすいでしょう。
高所作業車
高所作業車は名前の通り、高所での作業に役立つ乗り物で、造園業の場合は高所にある樹木の剪定などの際に使用します。高所での作業は転落事故などの危険性と隣り合わせであり、安全に仕事をするために免許が必要です。
高所作業車の免許はキャタピラー教習所などで取得できます。高所作業車の免許は作業床に合わせて「技能講習」と「特別教育」に分類されています。
特別教育
労働安全衛生法第59条によると、作業床の高さが10メートル未満の場合に高所作業車運転特別教育の修了が義務付けられています。
高所作業車運転特別教育の内容は、高所作業車の運転に関する知識などを学ぶ学科、装置の操作方法を身に着ける実技で構成されています。保有資格などによっては講習科目の一部が免除されることもあるので確認しましょう。
技能講習
労働安全衛生法第61条によると、作業床の高さが10メートル以上では高所作業車運転技能講習の修了が必要です。
高所作業車運転技能講習を受講すると、作業床10メートル未満の高所作業車も含め、すべての高所作業車の操作が可能となるため、就職や転職の際にも役に立つでしょう。高所作業車運転技能講習も特別教育と同様に学科と実技を学びます。
小型移動式クレーン
移動式クレーンは荷を持ち上げて水平に移動させるための機械装置で、小型移動式クレーンは吊り上げ荷重が1トン以上5トン未満のものを指します。
労働安全衛生法によって小型移動式クレーンの操縦は免許取得者しか認めない旨が定められているため、小型移動式クレーンを操作するには免許取得が必須です。
小型移動式クレーンの免許について
小型移動式クレーンの操縦が可能なのは移動式クレーン運転士免許の取得者、もしくは小型移動式クレーン運転技能講習の受講者となります。
尚、吊り上げ荷重が1トン未満のクレーンは小型移動式クレーンには該当しませんが、操縦するにあたって移動式クレーンの運転の業務に係る特別教育を受講していなければなりません。
クレーン運転士は需要が高いため、移動式クレーン運転士免許を取得したり、技能講習を受講したりしておくと業務をする上で役に立つでしょう。
免許取得に関する詳細
国家資格の移動式クレーン運転士はクレーン教習所などで学科と実技教習を経て免許を取得できます。
移動式クレーン運転士免許を取得すると、小型移動式クレーンだけでなく、吊り上げ荷重が5トン以上のクレーン操作も可能です。
一方、小型移動式クレーン運転技能講習を受講することでも小型移動式クレーンの操作は可能ですが、技能講習の受講者は移動式クレーン運転士とは呼ばないので注意しましょう。
技能講習は教習所などで受講でき、学科で小型移動式クレーンの知識や関係法令などを学び、実技で運転の仕方や運転のための合図を身につけます。
まとめ
造園業では様々な機械や道具を使用しますが、免許が無いと携われない業務が少なくありません。
造園業で役に立つ免許は多くありますが、玉掛けや高所作業車、小型移動式クレーンのような需要が高い免許、もしくは業務をする上で必要な免許を優先的に取得すると仕事の幅は広がるでしょう。
取得した免許は造園業だけでなく土木や建設業でも使えるので、転職の際にも役に立ちます。短期間で取得できる免許も多くあるので、仕事をしている人でも免許取得は難しくありません。造園業への転職を考えている人や造園業で色々な仕事を経験してキャリアアップを目指す人などは免許取得に挑戦してみましょう。