造園業のトレンド用語6選を解説!工場緑化やスマートシティなど

一般的にトレンド用語とは、ある一定以上の期間SNSなどで話題になっていたり、検索サイトで多く検索されていたりする言葉のことを指します。

トレンド用語を知れば、その業界の傾向や最新の流行がわかります。

そこで本記事では現在、造園業界で話題の用語を6つ紹介します。

バイオフィリックデザイン

バイオフィリックデザインとは、建築やインテリアなどの空間をデザインするときの手法の1つで、屋内外の緑化や、内と外とをつなぐ建築デザインなどを指します。

「人間は自然や生物とつながりたいという本能的な欲求をもつ」という意味の「バイオフィリア(Biophilia)」概念を取り入れたデザイン手法です。

自然の光や植物の香り、葉ずれの音など、五感を通じて、自然、生物、生命を感じられる要素を空間に取り入れます。

国内では、東京都千代田区の「大手町の森」や、東京都世田谷区の「二子玉川ライズ」などが好例です。

スマートシティ

「スマートシティ」とは、政府の施策において下記のように定義されています。

グローバルな諸課題や都市や地域の抱えるローカルな諸課題の解決、また新たな価値の創出を目指して、ICT等の新技術や官民各種のデータを有効に活用した各種分野におけるマネジメント(計画、整備、管理・運営等)が行われ、社会、経済、環境の側面から、現在および将来にわたって、人々(住民、企業、訪問者)により良いサービスや生活の質を提供する都市または地域

引用元:内閣府/スマートシティ
https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/smartcity/index.html

デジタル技術を使ってデータを収集、それらを活用することで都市のインフラや施設の運営を最適化し、企業や人々の暮らしをより便利で快適なものにしていくことを目指す都市、という意味です。

スマートシティと関わりがある造園業の取り組みでは、ロボット、AI、IoTなどを導入した緑地管理や、AIカメラを用いて公園の人流・属性・特定行動を検知する実証実験などが行われています。

スマートシティについては、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。

みどりシゴト新聞「スマートシティとはなに?造園業や建設業との関係や実現に向けて必要なこと!」
https://mqnavi.com/articles/archives/2624

ウッドショック

2020年、新型コロナウィルス感染症の影響で住宅建築需要の増加や製材所の休業など相次ぎました。

これに伴い世界的に木材が不足、このあおりを受けて日本国内でも木材価格の高騰がおきた一連の現象をウッドショックと呼びます。

最近でいえば、経済産業省の経済解析室が2022年5月に発表したコラム解説によると、合板や丸太の輸入価格は上昇を継続していますが、集成材や製材は緩やかに低下し始めていました。

出典:経済産業省ウェブサイト/経済解析室ひと言解説集「いつまで続くウッドショック;価格の高止まりが需要に影響?」
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/hitokoto_kako/20211022hitokoto.html

また林野庁が毎月公表している「モクレポ・令和6年7月号」によると、正角、間柱、針葉樹合板の全国平均価格は、前年同月と比較して減少しているものがほとんどです。

出典:モクレポ~林産物に関するマンスリーレポート~令和7年6月号 P15
https://www.rinya.maff.go.jp/

グリーンインフラ

グリーンインフラとは、自然環境がもつ機能を、社会におけるさまざまな課題解決のために活用する、という考え方のことです。

日本にグリーンインフラの概念が導入されたのは2013年頃です。

2015年に閣議決定された「国土形成計画」では、グリーンインフラの取り組みを推進することが盛り込まれました。

グリーンインフラの推進は、「国土の適切な管理による安全」「安心で持続可能な国土の形成」「人口減少・高齢化に対応した持続可能な地域社会の形成」を図ることが目的です。

校庭の芝生化、緑の駐車場、屋上緑化、壁面緑化などもグリーンインフラの一例です。

グリーンインフラについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

みどりシゴト新聞「グリーンインフラの意味をわかりやすく解説!」
https://mqnavi.com/articles/archives/2145

工場緑化

工場立地に関するさまざまな「きまり」を定めた工場立地法では、特定の基準に該当する工場に対して、一定の割合で緑地を設けることを義務づけています。

工場の敷地は「生産施設」「環境施設(緑地、噴水、運動場など)」「そのほか(事務所・駐車場など)」の3つに分けられます。

国の準則では、生産施設の面積を業種により敷地の30~65%以内にすることと、環境施設面積を敷地の25%以上、緑地面積を20%以上設けることを定めています。

造園業と工場緑化の関わりは、緑地の設計・施工、定期的なメンテナンスなど幅広く、規模が大きいのが特徴です。

工場緑化については、こちらの記事で詳しく解説しています。

みどりシゴト新聞「工場緑化とは?どんなメリットがある?」
https://mqnavi.com/articles/archives/2493

一括下請負の禁止

丸投げと呼ばれることもある一括下請負は、発注者から請け負った工事の全部、または主たる部分、独立した一部を元請企業が施工に関与することなく、一括して請け負わせる行為です。この一括下請けを禁止するのが、一括下請負の禁止です。

発注者から請け負った建設工事について、契約を分割するほか、他人名義が使われるなどしても、実際に一括下請負に該当する行為はすべて禁止されています。

一括下請負の禁止については、こちらの記事で詳しく解説しています。

みどりシゴト新聞「建設業の一括下請負の禁止とはどういうこと?」
https://mqnavi.com/articles/archives/2265

まとめ

造園業で今話題になっている用語がわかると、業界の傾向や最新の流行を知ることができます。

気になる用語があったらぜひ、チェックしてみてください。